面白かった。
立石の本屋さん「POTATO CHIP BOOKS」で出会った1冊のZINE。
著者の舟之川聖子さんは、「鑑賞対話ファシリテーター」という仕事をしている方らしい。芸術作品を鑑賞して、どう思ったか感想を語り合う場を作り、進行し、学びを深めることが生業。
人間はなぜそのようであるのか。
何が人間をそのようにさせるのか。
人間の住む世界とはどのような場所なのか。
それらを自分という人間を通して知ろうとしています。
自分が何に興味を抱くのか。
自分の中で何が動くのか。
この営みを仮に「観ること」と名付けました。
出典:『観ること』舟之川聖子
2010年中盤から2022年にかけての雑記が、時系列はバラバラに、テーマごとに並べられている。走り書きのメモや写真、インタビューなんかも、文脈の途中で差し込まれる。感情と、自己観察のスクラップブック。
本を読み進めるわたしもまた、著者の思考を通して、「観ること」をしている。著者を観て、自分を観て、人間を観ている。
気負わず、最短距離で解決を求めず、淡々と見つめ、気づき、自分の中で問題提起していくスタンスが心地よい。ご本人の醸すおかしみと、力強さもある。あと、やっぱり、関西人っていいなー
本文のデザインもいい。
縦書きで、上部に出典や、関係する事柄が並べられている。自分でZINEを作るときに、参考にしたいなこれ。ノンブルは、上でも下でもなく真ん中で、小口に寄せてあった。
未読の宮沢賢治『貝の火』、読まねば。
「あの頃好きだった漫画を読んでみる読書会」と、映画をメモを取りながら見るチャレンジもやってみたい。